クレーンゲームの景品を売ったら税金はかかる?申告が要る人と要らない人

この記事の結論

  • 自分で遊んで取った景品を、いらなくなって売るだけなら税金は原則かかりません。
  • 売るために取っている、同じ景品を何個も出しているなら、もうけは雑所得(規模によっては事業所得)です。
  • 会社員は給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は要ります。
  • 税金がかかるのは売れた金額ではなく、プレイ代・手数料・送料を引いた「もうけ」です。

クレーンゲームで取った景品をメルカリや買取店で売る人は増えています。2026年10月にはXで「クレーンゲーム界隈は申告していない人が多いが、税務署に普通にばれて数年後に呼び出される」という投稿が2万回以上表示されました(投稿)。

景品を売ったときに税金がかかるかどうかは、売った金額の大きさではなく「何のために取ったか」と「もうけがいくらか」で決まります。国税庁の説明をもとに、申告が要る人と要らない人の分かれ目を整理します。

税金がかかるかは「売るために取ったか」で決まる

自分用に取った景品を売るなら税金はかからず、売るために取った景品のもうけには税金がかかる
景品の取り方・売り方所得の種類税金
自分用に取った景品を、いらなくなって売る生活用動産の譲渡かからない
売るために取る・同じ景品を何個も出す・毎月のように売る雑所得もうけに応じてかかる
景品の転売を仕事として大きな規模で続けている事業所得もうけに応じてかかる

家具や衣服など、生活に使う物を売って得たお金には所得税がかかりません(生活用動産の譲渡)。自分で楽しむために取ったぬいぐるみやフィギュアを、部屋が狭くなったので手放すのはこれにあたります。例外は貴金属・宝石・書画・骨とうなどで1個30万円を超えるものですが、プライズの景品でここに当てはまるものはまずありません。

一方、はじめから売るつもりで取っているなら話が変わります。国税庁は副業の収入のうち「営利を目的とした継続的なもの」を業務に係る雑所得としています。次のような売り方は、売るために取ったと見られやすくなります。

売るために取ったと見られやすい4つの売り方
  1. 同じ景品を何個も取って、まとめて出品している
  2. 取ったその日に未開封のまま出品している
  3. フリマアプリの相場を見て、高く売れる景品の台を選んで遊んでいる
  4. 毎月のように景品を売っていて、売り上げが生活費の足しになっている

どれか1つで決まるわけではなく、回数・量・続けている期間を合わせて判断されます。自分用と転売用が混ざっている人は、売るために取った分だけが雑所得の対象です。

申告が要るのは、もうけが一定額を超えたとき

会社員は給与以外のもうけが年20万円超、給与が無い学生・主婦は所得の合計が104万円超で申告が要る

売るために取った景品のもうけがあっても、すぐに確定申告が必要になるわけではありません。働き方によって目安が違います。

働き方所得税の確定申告が必要になる目安
会社員・アルバイト(給与1か所・年末調整あり)景品のもうけなど給与以外の所得の合計が年20万円を超えたとき
給与が無い・少ない学生や主婦景品のもうけを含む所得の合計が、基礎控除などの所得控除の合計を超えたとき
すでに確定申告している個人事業主金額にかかわらず、ほかの所得と一緒に申告する

会社員の「20万円」は売り上げではなく、もうけ(所得)の金額です。メルカリで年間30万円売れても、プレイ代や手数料を引いたもうけが15万円なら、所得税の確定申告は要りません。

ただし、この20万円の特例は所得税だけのものです。住民税にはこの特例がないため、もうけが20万円以下でも、お住まいの市区町村に住民税の申告をする必要があります。

もうけが20万円以下の会社員は、所得税の確定申告は不要でも住民税の申告は必要

給与が無い人の基礎控除は、2026年(令和8年分)は合計所得が489万円以下なら104万円です(令和8年度の税制改正で引き上げ)。景品のもうけ以外に所得が無ければ、もうけが104万円以下のうちは所得税がかかりません。ただし家族の扶養に入っている人は、もうけが扶養の所得の条件に数えられるため、少ない金額でも扶養から外れることがあります。親や配偶者の勤務先に条件を確認しておくと安心です。

もうけは「売れた金額からプレイ代と手数料を引いた額」

税金の計算に使うのは、売れた金額からかかったお金を引いた額です。

もうけ = 売れた金額 − その景品を取るのにかかったプレイ代 − 販売手数料 − 送料・梱包代

たとえば、1回100円の台に10回(1,000円)使ってフィギュアを取り、メルカリで3,000円で売れた場合を考えます。販売手数料が10%で300円、送料が700円なら、もうけは次のとおりです。

3,000円 − 1,000円 − 300円 − 700円 = 1,000円

3,000円で売れた景品のもうけはプレイ代・手数料・送料を引いた1,000円

この1,000円を1年分足し上げた金額が、申告が要るかどうかの判断に使う数字になります。

プレイ代を経費にするには、どの景品にいくら使ったかを説明できることが前提です。オンラインクレーンゲームならアプリにプレイ履歴と発送の記録が残ります。お店で遊ぶ場合は、日付・店名・使った金額・取れた景品をメモし、取れた景品の写真を残しておくと後で困りません。

プレイ代を経費にするには日付・店名・使った金額・取れた景品の写真を記録する

申告しなくても、取引の記録は税務署に届く

買取店・フリマアプリ・銀行口座の記録は税務署に届く

「少額なら税務署は気づかない」と考える人もいますが、景品を売った記録は残る仕組みになっています。

  1. 買取店は古物営業法で、買い取るときに売る人の身分証を確認し、取引を記録することが決まっています。
  2. 税務署はフリマアプリやオークションの運営会社に、出品者の取引情報の提出を求めることができます。2023年からは、まとまった取引をしている人の情報を事業者にまとめて出してもらう制度も始まりました。
  3. 売上金を振り込んだ銀行口座の記録も、調査で確認されます。

申告が必要だったのにしていなかった場合は、本来の税金に加えて無申告加算税と延滞税がかかります。さかのぼって調べられる期間は原則5年です。税務署から連絡が来る前に自分で申告すれば、加算税は軽くなります。

インボイスや消費税は、ほとんどの人に関係ない

消費税の申告が必要になるのは、2年前の売り上げ(課税売上高)が1,000万円を超えた場合などです。景品を売っている個人のほとんどは当てはまらず、インボイスの登録も必要ありません。

迷ったら、記録を持って税務署に相談する

自分用か転売用かの線引きは、人によって事情が違います。判断に迷う場合は、プレイ代の記録と売り上げの明細を持って、最寄りの税務署の相談窓口か税理士に相談してください。この記事は2026年10月時点の法令にもとづく一般的な説明で、個別の判断をするものではありません。

よくある質問

Q自分用に取ったフィギュアを、飽きたのでメルカリで売りました。申告は要りますか?

原則として要りません。自分で楽しむために取った景品を不要になって売るのは、使わなくなった服や家具を売るのと同じ「生活用動産の譲渡」にあたり、所得税はかかりません。ただし同じ景品を何個も出している、取ってすぐ未開封で出しているといった場合は、売るために取ったと見られることがあります。

Q「一時所得なので50万円までは申告不要」という説明を見ました。本当ですか?

景品を売ったお金にはそのまま当てはめにくい説明です。国税庁は一時所得を「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外」で「資産の譲渡による対価としての性質を有しない」ものとしています。景品を売ったお金は物を売った対価で、売るために取り続けているなら継続的な営利行為でもあるため、雑所得か事業所得として考えるのが基本です。

Q会社員です。景品のもうけが年10万円でした。何もしなくていいですか?

給与を1か所から受けていて年末調整を受けているなら、景品のもうけを含む給与以外の所得が年20万円以下のときは、所得税の確定申告は要りません。ただしこれは所得税だけの話で、住民税には20万円以下の特例がないため、お住まいの市区町村への住民税の申告が必要です。

Q取れなかった台のプレイ代も経費にできますか?

売るための景品を取るのに使ったプレイ代は、取れなかった回も含めて必要経費として考えられます。一方、自分用の景品を取った分や、ただ遊んだ分は経費になりません。どの景品にいくら使ったかを説明できるよう、プレイ履歴や両替の記録を残しておくことが大切です。

Q赤字になった年はどうなりますか?

雑所得の赤字は、給与など他の所得と差し引きできません(損益通算はできません)。赤字の年は雑所得がゼロとして扱われます。

Q確定申告すると、会社に副業がばれますか?

景品のもうけは住民税に反映され、住民税は会社の給与から天引きされるのが普通です。確定申告書の住民税の欄で「自分で納付」を選ぶと、給与以外の所得の分は自宅に届く納付書で払う形にできます。ただし市区町村の運用によるため、確実ではありません。

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